一将功成って万骨枯る 2016 5 21

 かつて、日本企業では、
「そんなことを頑張っても誰にも評価されない」という仕事でも、
地味にコツコツと頑張る人が多かったと思います。
 外国人から見ても、
「日本人は地味だが、職人のように、コツコツと頑張る」というイメージだったでしょう。
 それが、いつの間にか、
「目立つ人が評価され、地味な人は評価されない」という企業文化に変わってしまったのです。
 経済のニュースでは、
三菱自動車による燃費偽装問題が大きな問題になっています。
 こうした問題に対して、2016年5月21日の読売新聞で、
富士重工業の社長が、インタビューに応じて、
目標達成のために経営陣が部下に過度なプレッシャーを与えることを戒めています。
 「燃費に限らず、
現場が『今の実力では限界』と言ったら、
認めてあげないといけない」と述べています。
 三菱自動車を巡っては、
燃費目標が開発現場にとって重荷となり、
不正に手を染めたとみられている。
(以上、引用)
 さて、私は、こうした企業の不祥事のニュースを聞くと、
「一将功成りて万骨枯る」という格言を思い出します。
 一人の将軍の輝かしい功名の陰には、戦場に命を捨てた多くの兵士がある。
成功者・指導者ばかりが功名を得るのを嘆く言葉。(デジタル大辞泉)

一将功成って万骨枯る 2015 7 11
 経済ニュースでは、連日のように、
日本の大企業である「東芝」の不適切会計問題のニュースがあります。
 2015年7月10日の時事通信社のニュースには、このようなニュースがありました。
「社長の『圧力』影響か、東芝の不適切会計」
 東芝の不適切会計問題で、現社長や前社長が、
業績目標の達成に向け、
メールや電話などで幹部に強く求めていたことが10日、分かった。
 この問題を調査している社外の第三者委員会は、
こうした社長の指示が社内でトップからの「圧力」と受け止められ、
不適切な会計処理につながった可能性があるとみて詳しく調べているもようだ。
(引用、以上)
 新聞報道では、「過去最大の営業利益を目指していた」とされますが、
その時の事業環境を考えれば、無理だったと思います。
 そうなると、各事業部は、数字を取り繕うしかなかったのでしょう。
それが、結果として、巨額の「不適切会計問題」につながったのです。
 「一将功成って万骨枯る」
これは、「一人の将軍が手柄を立てるときには、
無数の人々の生命が犠牲になっている」という意味です。
 そもそも、「東芝」という会社は、
「地味だけれど、コツコツと頑張る」というイメージだったと思います。
 これは、日本企業に共通するイメージでしょう。
だからこそ、外国人は、日本製品を買うのです。
 日本人は、地味だけれど、職人のように、コツコツと頑張る。
そういうイメージがあるからこそ、
外国人は、安心して、日本製品を買うのです。
 このたびの東芝の不適切会計問題は、
日本の国益を損ねる行為と言えるでしょう。
 東芝は、今後、
「地味だけれど、コツコツと頑張る人」を登用していくべきでしょう。






















































































スマートフォンのトップページへ